沖縄セルラーとKDDIスマートドローン株式会社は、ドローンによる自動点検とAI解析技術を活用したサビ判別の自動化を構築しました。ドローンの選定やフライトは、KDDIスマートドローンがこれまで行ってきた、多様な構造物のドローンによる点検から培った技術・知見をもとに行い、撮影データを用いた劣化箇所の特定においては、沖縄セルラーが「おきなわ自然保護プロジェクト“マングース画像自動判別システム”」で得たノウハウを活かし独自に開発したAI画像解析技術を使用しています。
マングース画像自動判別システムの構築沖縄セルラーは、県内全域に約700の通信基地局を設置していますが、鉄塔型基地局の点検は高所作業を伴うため、技術を有した作業員の確保や作業時の徹底した安全管理が必須です。
また従来の点検方法では、1つの鉄塔に作業員2~3人が登り、目視点検を行った上で劣化箇所の撮影と点検項目の記載を行うため、1回の点検につき5時間程度要していました。その後事務所に戻り、撮影した写真の確認、劣化度の評価、報告書作成といった点検結果の整理も行っていたため、長時間に及ぶ点検・事務作業の負荷や稼働・工程調整が大きな課題となっていました。
そこで沖縄セルラーは、鉄塔点検における課題解消と作業効率化、全体のコスト削減のための取り組みとして、ドローンとAIを用いた点検プロセスの構築を進めました。
この点検手法では、オートフライト(自立飛行)機能搭載のドローンを用い、鉄塔全体を自動で撮影します。これまでは作業員が鉄塔に登り、劣化箇所の目視点検・撮影に5時間かかっていたところ、ドローンにより20分へ短縮し、従来の15分の1程度の時間での撮影を可能にしました。
また撮影された画像データは、沖縄セルラーが独自に開発したAI画像解析技術を用い、サビ、塗装剥がれや腐食などの劣化箇所の自動判定を行います。従来は、目視によるサビ判定に8時間程度かかっていたものが、AI解析により10分程度で完了できるようになりました。
これにより、点検作業の省力化・コスト削減、作業員の安全確保、点検品質の均一化が実現され、2022年の実証実験以降、改良を重ねて2024年度より本格運用を開始しています。
オートフライト機能搭載のドローン
オートフライト機能搭載のドローンが、対象の構造物の周りを自動で飛行。自動操縦のため操縦者の技術的負担を軽減します。
ドローンが撮影箇所を自動選定
ドローンが構造物の撮影箇所を自動で選定し撮影。様々な角度から高精細の画像が撮影可能であり、撮影された画像はAIの画像解析に必要な品質を担保しています。
AI技術による画像解析
撮影された画像は、沖縄セルラーが培ってきた画像処理・AIの技術により、サビの深度や範囲を計算して自動で判別します。
鉄塔点検の様子
ドローンは、高所やへき地での電気・土木設備や建物点検や測量、遠隔地の監視のほか、地域住民への日用品・医薬品の配送や災害時の物資支援など、人手では危険が伴う作業や手間・時間がかかる場面での利活用が進んでいます。
また、ドローンとAIを掛け合わせることで、これまで人が行っていた複雑な作業を高い精度かつ迅速に実現できるため、従来の方法では難しかった生産性向上やコスト削減、人員不足などの課題の解決にも寄与します。
沖縄セルラー電話はお客さまに寄り添い、それぞれの課題やニーズに応じた最適なソリューションをご提案可能です。お客さまの課題解決や新たな価値創造に向けて、全力でサポートさせていただきます。
※掲載された情報は、2025年3月時点のものです。