沖縄県南城市
導入サービス |
|
---|
事業内容
南城市 産業振興課は、農政係、農産係、水産係の3係で構成されており、地域の農業・畜産業・水産業の振興を通じて、地域経済の活性化を目指している。
特に農業分野においては、高齢化や担い手不足といった課題に対応するため、スマート農業の導入・支援に力を入れている。
山内 氏:南城市 産業振興課は、農政係、農産係、水産係の3係で構成されています。農政係は主に新規就農や担い手、認定農業者、農産係は野菜や果樹、花き、畜産、水産係は水産業全般や漁港に関する業務を担当しており、市内の農業・畜産業・水産業を幅広く支える体制を整えています。
地域の農業・畜産業・水産業の振興を通じて、地域経済の活性化を目指し、特に農業分野においては、高齢化や担い手不足といった課題に対応するため、現在はスマート農業の導入・支援に力を入れています。
南城市 農林水産部 産業振興課 課長 山内 昌也 氏
玉城 氏:全国各地で課題になっているように、南城市でもやはり農家の高齢化や担い手不足が大きな課題です。事業規模をもっと拡大したいという農家の方の希望があっても、収穫作業が追いつかず断念せざるを得ないケースがあります。
解決策としては、収穫ロボットの導入などが考えられますが、まだまだ技術や普及の面でハードルがあるため、まずは環境整備から進めていきたいと考え、今回farmoの導入を検討するに至りました。
また、南城市のDX推進課では以前から沖縄セルラーさんとつながりがありましたので、このような課題に適したサービスがないかご相談させていただいていました。さらに、ResorTech EXPO※で沖縄セルラーさんとお話しさせていただく機会もあり、導入に向けて具体的な話を伺うことができました。
※沖縄県最大の IT・DX の展示商談会
玉城 氏:導入前の最大の課題は人手不足によって圃場管理の負担が大きかったことです。
農家の方は、ビニールハウス内の状態を確認するために、一日に何度も圃場に足を運ばなければならず、特に自宅と圃場が離れている場合は移動だけで多くの時間と労力がかかってしまいます。限られた人員で農作業を進める中で、この負担は深刻でした。
加えて、農家の方は「肌感覚」 で農作業をしている部分が大きく、例えば他の人へ教える際にその感覚を共有するのが難しいという課題もありました。
これらの課題に対して、farmoを導入し圃場の状態を遠隔で確認できる仕組みを整えることで、移動や確認にかかる負担を削減し、空いた時間を他の作業に充てられるのではと考えていました。さらに、具体的な数値としてデータを蓄積していくことで、複数人での作業分担や技術の共有がしやすくなるなど、農家の方々の事業の効率化と持続的な発展につながると期待がありました。
南城市 農林水産部 産業振興課 係長 玉城 司 氏
玉城 氏:farmoは今年の2月末ごろから稼働し、約半年が経過しました。どれくらい農家の方々がfarmoのアプリを利用されているかデータを確認したところ、多い方で1日に 6~7回と頻繁にアプリをチェックされており、大いに活用いただいていることがわかりました。
実際に農家の方からは、「今までわざわざ畑に行かないと分からなかった気温や湿度などのデータが、いつでもどこでもアプリで見られるので、空いた時間を他の作業に充てられて作業が効率化できた」というお声も頂いており、時間の有効活用につながっているのかなと感じております。
また、「ハウス内の温度が◯℃以上になったらプッシュ通知を送る」という設定も可能で、自分に合った使い方をカスタマイズできる点も好評です。
山内 氏:さらに、農家の方からは自分の思っていた「肌感覚」 と、実際の数値で見る「データ」 に想定以上の差があり、驚いたというお声もありました。
うまく栽培できたときだけでなく、失敗してしまったときも、「こういう生育環境だったからこういう結果になった」というデータが記録として残る。今まで感覚で行っていた作業がデータとして可視化されることは、農家さんにとっても新たな発見や改善につながるのではないでしょうか。
ハウスに設置されたfarmo
玉城 氏:一番の理由は、farmoが最も農家の方々の負担が少ないシステム構成だったためです。
他社製品も検討したのですが、農家の方がそれぞれインターネット環境を整備しなければならなかったり、電源が必要だったりと、導入時の負担が大きい印象でした。
山内 氏:設置場所となるハウス内には、基本的に電源がないため、電源の問題は大きかったですね。
その点、farmoは本体のソーラーパネルだけで動作しますし、農家の方におけるインターネット整備の必要もなく、また設置後の月額料なども不要で、スマホの通信量のみで利用できるため継続的に使っていただきやすいのが魅力でした。
玉城 氏:ご提案いただいた沖縄セルラーさんに関しても、沖縄に根ざした地元企業で、通信に強いという印象があり、安心してお願いすることができました。
実際にちょっとした問題や相談事があった際には、連絡すればすぐに動いてくださるので、非常に心強く感じています。
また、farmoの運用開始時には、通信機からの電波が圃場に届きにくい場所もあったのですが、中継機器を設置するなど柔軟に対応していただき、とても感謝しております。
玉城 氏:これまで、農家の方々から作物の栽培に関して、温度や湿度、水分量などの目安がないか質問されることがあったのですが、データがなく提示できない状況でした。しかし今回のfarmo導入によって、それぞれの農家単位での活用に加え、南城市で蓄積したデータを新規就農者への情報提供に活用することで、市全体の農業の発展に繋げられるのではと期待しています。
沖縄県や沖縄セルラーさんにも協力いただきながら、さまざまな角度で検証しつつ、データ活用の幅を広げていけたらと思います。
比嘉 氏:farmoは以前から導入を検討していて、自分でも調べていましたが、電波の問題があり、自分自身での導入には至りませんでした。
そんな時に、産業振興課の方から「farmoを使ってみないか」というお話があり、個人で購入を検討していたものよりハイグレードな機種を試せるということで、是非使ってみたいと思い導入させていただきました。
機器の設置については配線も不要で、ハウス内に置くだけだったのでとても簡単でしたし、アプリも直覚的に操作できて、導入までとてもスムーズでした。
農家 比嘉 拓也 氏
比嘉 氏:farmo導入前も、自分でハウス内に温度計や湿度計を設置してはいたのですが、当然確認するためには現場に行く必要がありました。
それが farmoを導入したことで、どこにいてもスマホからあらゆるデータを確認できるようになりました。もちろん、換気や水やりなどの作業は必要に応じて現地で行いますが、いつでもどこでも情報を把握できるというのはやはり便利ですし、大きな安心に繋がります。
特に良かったのは、照度(明るさ)を把握できるようになったことです。
ピーマンの栽培に適した光量は約4万ルクスと言われているのですが、沖縄は日差しが強いこともあり、晴れた日の数値を見たら12~15万ルクスという驚きの値。慌てて遮光ネットを張りました。晴天や曇天での光量を具体的な数値で把握できるようになったのは本当に助かっています。
比嘉 氏:farmo自体は、数値を確認するためのツールなので、本当の意味での省力化・効率化を実現するには、今後は別の機器と連携して自動化を図る必要があると考えています。例えば、換気が必要であれば窓を開ける、湿度が下がったらミストを出す。市販でそういった操作ができる機器が販売されているので、farmoと連携させて、ハウス内が◯℃以上になったら自動で窓を開けて換気するといったような設定ができれば、farmoをさらに有効活用できると思います。
松田:やはり地元に人がいること、顔を合わせて直接対応できることが最大の強みであり、私たちが提供できる価値だと考えております。
お客様のお困りごとに対してすぐに対応し、なにかあれば現場まで迅速に駆けつける。
どんな些細なことでも真っ先にご相談いただけるような、"お客様にとって一番頼れる存在"でありたいです。
取材日:2025年7月22日
※掲載された情報は、取材日当時のものです。
沖縄セルラー ビジネス営業部へお問い合わせください。
業務効率化やオフィス環境のお悩みは、沖縄のビジネスパートナー、沖縄セルラー電話へお気軽にお問い合わせください。お客さまのビジネスの発展を全力でサポートいたします。
お問い合わせはこちらから